2010年07月21日

チェルシーな男/カジヒデキについて

今日たまたま、梅田のシャングリラでカジヒデキのライブを観た。

このブログを読んでる人で、カジヒデキを聴く人はほとんどいないかもしれない。

オレにとってもカジヒデキとは、90年半ばに、いわゆる渋谷系あたりから登場した、ネオアコ〜ギターポップと称される、ソフトで甘くてキャッチーで可愛らしい、厭な言い方をすればヘタレで女々しくてナヨっちい、いくつになってもボーダーシャツに半ズボンの王子様系の音楽を演る人、ぐらいの印象だった。

レーベルの縁で(speedometer.と同じ。もちろん彼が先輩)、数年前から時々話す機会があるのだが、オレはいまだかつて、こんなに心優しき、そして無垢な男をみたことがない。

年はオレの2つ上だから、この半ズボンの貴公子は、R.3.CでいえばD氏とおない年である。

人にはつくづく、様々な人生のパターンがあるものだ。

オレも、カジ氏に実際に会うまでは、あの純真で可憐なキャラクターはあまりにも現実離れしていて、「演出ではないのか?」と、穿った目で見ていた部分もあったが、穿った見方をされても仕方がないぐらい、逆に言えばそれぐらい常軌を逸した「無垢な男」である。

よう今まで、誰にも騙されんと42才まで無事に生きてこれたもんや、と本気で思う。

おそらく彼に接する誰もが本能的に、「この人"だけ"は、騙したりダシ抜いたりしてはいけない」と思うのだろうか。世の中には、稀にこういう「エンジェリックな」人がいる。

カジ氏は、大のフットボール・フリークである。

ロンドン在住時はチェルシーの年間チケットを取って、スタジアムに通い詰めたとのこと。

今日のライブのMCで、彼は「ワールドカップも終わりましたが・・・」と、一般向けの話題を切り出した。

カジヒデキのライブに来るお客さんは、たいがいが、ごくごくフツーのベテランOLか(斜めがけポシェット率高し)、カジヒデキに同化したい永遠の少年系ヘタレ男子、いや草食系男子、あるいは、いまだに渋谷系の亡骸を求めて彷徨い歩く90年代の亡霊がほとんどである。

その客層を前に彼は、ワールドカップの話もそこそこに切り上げ、次第に自分の支持するチェルシーF.C.のことを熱く語り出し、客をどんどんおいてけぼりにした。

挙げ句の果てには、「スタジアムにはオモシロい応援があるんですよ」と言って、チェルシーの応援歌を高らかに歌い出し、ごくごくフツーのOLたちはよくわからないまま、「Oi! Oi! Oi!」と拳をあげ「させられ」ていた。

彼は、パンクにも造詣が深く、その昔は地元の千葉から夜行で大阪のエッグプラントまで目当てのライブを見にきたこともある、と話してくれたこともある。

ステージでは、「ね、こうやってスタジアムでは歌を歌うんですよ。楽しいでしょう?フットボールは決して怖いもんではなくて。楽しいんです。おもしろいんです。ホントに。」と、熱く語っていた。

なんと無垢な人だろう、なんとフットボール愛の深い人だろう、と思った。

とにかく、ナヨこいイメージの強い彼であるが、そんな彼がフットボールに捧げる曲をいくつか作っているので紹介しておこう。

こんなPVを見ると、カジヒデキは2000年初頭からすでにCASUALSなんちゃうの?と思ったり。おそらく彼に聞けば、さらりとかわされそうやけども。

今度彼に会った時は、一度、R.3.Cのアルバムを渡してみようと思う。

どこまでもナヨっちくて、ヘロヘロに弱こくて、限りなく線が細いけども、そこらのクソみたいなパンクバンドは、彼のポップセンスの爪の垢でも煎じて飲めばいいと思う。




posted by r3c at 23:34| Comment(0) | TrackBack(0) | Posted by Jun | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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